中国語母話者の日本学習によるポライトネスの構造と意識の変容 : 依頼に対する断り難さに着目して

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タイトル別名
  • Structure and change of politeness factors awareness by native Chinese speakers learning Japanese : Focusing on difficulties reject a request
  • 中国語母語話者の日本語学習によるポライトネスの構造と意識の変容 : 依頼に対する断り難さに着目して
  • チュウゴクゴ ボゴワシャ ノ ニホンゴ ガクシュウ ニ ヨル ポライトネス ノ コウゾウ ト イシキ ノ ヘンヨウ : イライ ニ タイスル コトワリ カタサ ニ チャクモク シテ

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抄録

本研究では,中国語を母語とする日本語学習者が日本語を学習することで,ポライトネスの構造と意識の変容を,依頼の断り難さに着目して調査した。ポライトネス理論の枠組み(Brown & Levinson, 1978, 1987)では,ある行為xの持つフェイス侵害リスク(Wx)の大きさは,相手との社会的距離(D),力関係(P),xという行為が特定の文化内でもつ負担の度合い(Rx),の3つの要因で,Wx=D(S,H)+P(H,S)+Rxと示される。本研究でも,この理論的枠組みを使って,これらの要因群の断り難さへの影響を,回帰木分析を使って分析した。ただし,Rxは,依頼場面の影響をRsitとし,言語使用の違いの影響をRl&cとして区別した。分析の結果,断り難さに対して最も強く影響したのは社会的距離で,次に力関係と場面の影響が見られた。中国語と日本語の使用言語の違いによるポライトネス意識の変容についても検討したが,社会的距離と力関係よりも影響力が弱く,依頼場面によって多様性が見られた。

収録刊行物

  • ことばの科学

    ことばの科学 28 51-69, 2014-12-05

    名古屋大学言語文化研究会

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