胃癌・大腸癌症例に対するクレスチン(PSK)療法のレスポンダー探索

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  • Prognostic Markers for Immunochemotherapy Using Tegafur-Uracil (UFT) and Protein-Bound Polysaccharide K (PSK)

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抄録

【背景】われわれはこれまでに健常人,胃・大腸癌患者リンパ球のPSK添加による幼若化反応(以下PSK-SI)の検討を行い,胃・大腸癌患者のPSK-SIは健常人に比し低値であること,胃・大腸癌患者のPSK-SI高値はPSKによる免疫療法のレスポンダー指標になる可能性があることを報告してきた.今回PSKによるリンパ球活性化が胃癌・大腸癌のPSK治療効果予測因子となるか否かを検討した.【対象と方法】解析対象は胃癌98症例,大腸癌術後135症例であった.患者の末梢血単核球を分離し,PSK添加,非添加下でのPSK-SIを^3H-thymidine取り込みで評価した.胃癌ではPSK-SI 1.75倍以上を高値群,未満を低値群とし,大腸癌ではPSK-SI 2.1倍以上を高値群,未満を低値群とした.血中免疫抑制酸性蛋白(IAP)はTIA法で評価した.術後補助化学療法はUFT,PSKを術後15日より2年間連日投与した.各群の予後をPSK-SIとIAPの高値群,低値群間で解析した.【結果】胃癌・大腸癌症例のPSK-SI高値群,低値群で両群間患者背景に有意な差はなかった.また術前IAP(胃癌;≧ 400μg/ml,大腸癌;≧ 500μg/ml)とPSK-SI(胃癌;≧ 1.75,大腸癌;≧ 2.1)が高い患者群において,PSKを用いた術後補助免疫療法の有効性が高かった.【結語】今後のさらなる臨床試験がなされることが必要であるが,PSKによるリンパ球活性化が治療効果予測に有用な因子となる可能性が示唆された.

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