看護の社会学的観察:看護社会学序説

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タイトル別名
  • Sociological Observation on Nursing : An Introduction to Nursing Sociology
  • カンゴ ノ シャカイガクテキ カンサツ : カンゴ シャカイガク ジョセツ

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抄録

本研究の目的は、看護におけるコミュニケーションと社会システムの基礎づけを求めるところにある。本稿の議論の中心は、われわれのコミュニケーションが安定した事態にはないということにある。看護におけるコミュニケーションでも、事態は同様である。コミュニケーションにおいて、われわれは、自己と他者の間に理解を創出しなければならない。そして、当然のことながら自己と他者の関係の問題は、看護師と患者との間の関係とも無関係ではない。コミュニケーションにおいて、理解は譲渡されるものではない。理解の共有は、お互いに理解を創出することを意味する。一方的なコミュニケーションは、看護活動にとって問題となる。一方、看護システムは、ひとつの社会システムでもある。社会システムは期待構造を形成する。看護システムにおける期待構造は、看護行為に対して安定性をもたらすことになる。しかし、看護の環境が変化するとき、看護システムは、自分自身を変更しなければならないことになる。これらの問題に対峙するとき、われわれは社会学的な視点で看護を分析しなければならないのである。

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