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抄録
本研究では,全国学力・学習状況調査で出題された過不足の問題に焦点を当て,方程式の立式過程における文字式の理解についての困難点を明らかにすることを目的とする.その方法として,質問紙調査を実施し,生徒の解答を全国調査と同様な解答類型にわけ,その解答状況を分析することとした.特に,誤答の類型の中でも解答の状況がつかめていない類型9の解答を詳細に分析し,生徒の方程式を立式する際のつまずきを顕在化することとした.この類型9の中には,文字を用いて式に表そうとしている解答と数値のみの式で解決しようとしている解答が見られ,それらの中に生徒の文字式の理解の困難性が見られることが明らかとなった.それは次の3点である.(1)問題で示されている数量や数量の関係を捉えること,(2)数量や数量の関係を捉えているが,それを文字を用いて式を作ること,(3)2つの数量を表したフレーズ型の式を等しい関係として等式を作ることである.このことから作った式に表すと同時に式の意味を解釈する活動を大切にする指導が必要であるという示唆を得た.
収録刊行物
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- 山梨大学教育学部紀要 = 山梨大学教育学部紀要
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山梨大学教育学部紀要 = 山梨大学教育学部紀要 28 93-106, 2019-01-24
山梨大学教育学部
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390853649708733056
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- NII論文ID
- 120006804272
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- NII書誌ID
- AA12782269
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- ISSN
- 24330418
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- Web Site
- http://id.nii.ac.jp/1705/00001079/
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles