差異の交錯と構造的差別の顕現 : 外国人学校建設をめぐる反対運動の事例から

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書誌事項

タイトル別名
  • Intersectionality and Structural Discrimination Focusing on Resident Opposition against Construction of Ethnic School
  • サイ ノ コウサク ト コウゾウテキ サベツ ノ ケンゲン ガイコクジン ガッコウ ケンセツ ヲ メグル ハンタイ ウンドウ ノ ジレイ カラ

抄録

論文

本稿の目的は、ある外国人学校設立時に生じた地区住民による反対運動を事例に、その要因を明らかにすることを通じて、現代日本社会における構造的な差別の実態を把握するとともに、その克服に向けた示唆を得ることである。今日、日本社会では多文化化が進展する一方、排外意識の高揚が社会的課題となっている。こうした社会状況の下、関連研究の蓄積が進められてきているものの、複数の差異が交錯するなかで生じる複雑な差別の実態は依然十分に明らかにされていない。そこで本稿では、ある被差別部落を舞台に生じた新興のコリア系外国人学校の建設反対運動を取り上げ、その背景要因を検討した。結果、緊迫する国際情勢やメディアの影響、東アジアに対する認識、地域の階層的特徴、X地区の流動化に伴う剥奪感、「二重の差別」に対する危惧、故郷に対する愛着などの諸要素が絡み合うなかで反対運動が生じていたことが明らかとなった。以上を踏まえて差別を関係性や構造から捉える重要性を提起した。

収録刊行物

  • 共生学ジャーナル

    共生学ジャーナル 2 32-58, 2018-03

    大阪大学大学院人間科学研究科『共⽣学ジャーナル』編集委員会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853649742660480
  • NII論文ID
    120006539452
  • DOI
    10.18910/70625
  • ISSN
    24326755
  • HANDLE
    11094/70625
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles

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