自尊感情尺度の俎上にのらない若者に対する対話的支援の効果 : 学習・キャリア支援ボランティアの経験に基づいて

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タイトル別名
  • A Dialog Support for an Adolescent student who can’t be on the Measured Stage of Self-esteem Scale

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説明

本研究は、一見すると自尊感情が低くないにもかかわらず、自尊感情が低い子どもよりも根深いところで問題を抱えているある少年の姿を取り上げ、今日の学校教育において重要とされる自尊感情の育みが、一般的な枠組みでは可能にならない子どもについて、事例を検討している。本事例においては、当該の少年は、自尊感情の高低を測る俎上にさえのっていない、といえる。その要因として、自尊感情のさらに礎となる、非定立的な意識(サルトル)という自己意識の機能の不十分さが考えられる。自尊感情の礎を育むとされる全面的な承認は、乳幼児期までのおとなとの関係でまず得られる、とされており、この少年は、そうした承認が現実的には不可能な年齢にいたっている。しかしこの少年は、会話の内容そのものに意味があるというよりもうしろ、呼びかけ合っているという事実そのものに焦点化される、他愛のないおしゃべりを経ることによって、自己意識を充実されていった可能性が考えられる。自尊感情の高低を測る俎上にさえのらない子どもがいること、そしてそうした子どもに対する支援の一つとしての対話的支援の効果が明らかになった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853649754880896
  • NII論文ID
    120006557829
  • NII書誌ID
    AA11961965
  • DOI
    10.15002/00021444
  • HANDLE
    10114/00021444
  • ISSN
    13493051
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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