褐毛和牛における体量の遺伝学的分析

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タイトル別名
  • Genetic analysis of body size in Japanese Brown Cattle
  • カツモウ ワギュウ ニ オケル タイリョウ ノ イデンガクテキ ブンセキ

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本報の第1部において著者らは,日本褐毛和牛登録協会発行の最近の登録簿から,20頭の種雄牛による600対の娘母牛群を抽出し,体尺測定値の遺伝率およびそれらの遺伝相関を評価した.第2部においては,10頭の種雄牛による170頭の半姉妹牛群について,体重の遺伝率および体尺測定値と体重の関係について検討した.娘母の関係から評価した体尺測定値の遺伝率は,体高0.42,十字部高0.48,体長0.40,胸囲0.39,胸深0.30,胸幅O.25,尻長O.30,腰角幅O.39,寛幅0.30,坐骨幅0.21,管囲0.36であつた.一方半姉妹の関係から評価した遺伝率は,これらよりやや高く,さらに不斉一であつた.しかし半姉妹群の環境条件に多少とも斉一でない点があることを考慮して,著者らは娘母の関係から評価した数値を,信頼性が高いものとして採択した.体尺測定値間の遺伝相関は,坐骨幅を例外とすれば,いずれもかなり高いことが認められた.この事実に墓ついて著者らは,体高を抑制して体積を増大しようとする現在の構想の突現には,かなりの困難が予想されることを示唆した,半姉妹の関係から評価された体重の遺伝率は比較的低く,0.28であつた.一方体高の影響を除いた体尺測定値と体重との偏相関では,胸囲と体重との間にもつとも高い数値が得られた.そこで著者らは,体重または増体量に関する選抜の指標としては,胸囲または胸部に関する測定値をとるのが妥当であることを示唆した.

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