食品の加熱香気に関する研究 : (I) 豚肉香気の前駆物質について

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  • 稲神 馨
    九州大学農学部食糧化学工学科栄養化学教室
  • 山本 以和彦
    九州大学農学部食糧化学工学科栄養化学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the flavor of roasted foods : (I) Precursors of roasted pork flavor
  • 食品の加熱香気に関する研究-1-豚肉香気の前駆物質について
  • ショクヒン ノ カネツ コウキ ニ カンスル ケンキュウ 1 ブタニク コウキ ノ ゼンク ブッシツ ニ ツイテ

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説明

豚肉を加熱したときに生ずる香りについて研究し,香りの前駆物質は肉の水溶性部分に存在することを知つた.この分画には糖やアミノ酸,例えばバリン,グリシン,アラニンなどが主として含まれていた.そしてこの香りはアミノ酸と糖の反応によつて発生するものと考えた.次にアミノ酸と糖を加熱するモデル実験でバリン,ロイシン,イソロイシン,プロリン,リジンから好ましい香りが発生することを知つた.その中のバリンとグルコースを種々の条件で反応させその生成物から11種のカルボニール化合物をヒドラゾンとして確認した.そしてバリン特有の生成物の主体をなすものは,isobutyraldehydeであることを赤外吸収スペクトル,融点測定などで明らかにした.このisobutyraldehydeはStrecker反応により生成され,肉の加熱香気も主としてこの反応によつて生成するものと推察した.

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