<論説>侍・凡下考

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タイトル別名
  • <Articles>Samurai 侍 and Bonge 凡下
  • 侍・凡下考
  • サムライ ボンゲ コウ

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抄録

中世における社会身分として、侍・凡下の別が行われていた。現存する史料の上からは、この区別の実態がもっとも明瞭なのは検断沙汰・服装の面においてである。中でも犯罪の嫌疑をかけられた時、凡下は拷問されるが、侍は拷問されないのが当時の通例であった。この侍の拷問免除規定の法源は公家法の有官位者に対する免除規定にあるようで、侍身分は律令制的官位を帯することができる者と系譜的に密接な関連を有するといえる。鎌倉幕府法においても侍・凡下の区別は厳格になされており、この侍もまた有官位者と関連をもつようであるが、郎等は侍とは認めていない。しかし在地で侍・凡下の身分差をいう場合には郎等も侍に入っているようである。これらの侍・凡下の具体的な在り方を通じて、中世身分制度の解明の手懸りを探りたい。

収録刊行物

  • 史林

    史林 59 (4), 499-529, 1976-07-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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