<論説>近代英国における海難対策の形成 : レッセ・フェールの社会的条件

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Formation of Policy for the Preservation of Life and Property from Shipwrecks : The Social Conditions of 'Laissez-faife'
  • 近代英国における海難対策の形成--レッセ・フェールの社会的条件
  • キンダイ エイコク ニ オケル カイナン タイサク ノ ケイセイ レッセ フェール ノ シャカイテキ ジョウケン

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説明

一九世紀英国の様々な社会政策の特徴をめぐり、レッセ・フェールか国家干渉か、という論争が長く続いた。最近では干渉を時に伴いながらもレッセ・フェールが貫徹したという像が通説として受け入れられているが、そういう政策的態度を可能にした社会ないし民間の条件についてはあまり考察されてこなかった。そこで本稿は、いまだ未開拓の海難という問題を取り上げ、どのようにして社会問題(=海難) を解決する対策が形成されていったのかを明らかにしている。とりわけ、人命救助においてレッセ・フェールが貫かれ、民間の主体性が顕著にあらわれているのであるが、なぜ、そのような民間の主体的解決が可能だったのかについて、本稿では、国家に頼らず自発的な「集団」を形成して問題解決を志向する英国社会の特質を見出した。

収録刊行物

  • 史林

    史林 81 (3), 363-393, 1998-05-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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