古墳時代における文化の傳播 (下)
書誌事項
- タイトル別名
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- The Diffusion of Civilization in the Protohistoric Japan (2)
- 古墳時代における文化の伝播 (下)
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説明
わが國の古墳時代文化は畿内を中心とした地方にまず發生し、しかる後に關東や九州にも傳播したものであることはすでに認められている。その文化の傳播には時間を要するので、畿内における各文化相は、周緣地方では一二世紀ずつおくれて行われている、といふのが從來の說であつた。しかし周緣で新しい時代に古い文化が行われた樣に見えるのは、特殊な理由のある現象に限られることで、實際は周緣社會が一旦古墳の營造を必要とするようになると、周緣においても當時の畿内とほゞ同じ文化相が傳えられていたのである。したがつて文化の傳播に時間がかゝるというのは、與える側の壓力の蓄積と、受ける側の受入態勢の整備とが、ともに滿たされてはじめて文化傳播の機構が發動するということで、兩者間の距離のみが決定的な要素ではないであらう。古墳時代の九州において、畿内文化が波及するまでは、直接大陸文化を取り入れることができなかつたのも、文化を受ける側の社會組織の未發達によるものである。
収録刊行物
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- 史林
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史林 33 (4), 453-469, 1950-08-01
史學硏究會 (京都大學文學部内)
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390853649778594432
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- NII論文ID
- 120006816431
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- NII書誌ID
- AN00119179
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- HANDLE
- 2433/248947
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- ISSN
- 03869369
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可