<論説>遠隔地荘園の支配構造 : 鎮西島津荘における領家支配の変遷

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タイトル別名
  • <Articles>Government Construction of a distant Manor : transition of lord government in the Shimazu 島津 Manor in Kyushu 九州
  • 遠隔地荘園の支配構造--鎮西島津荘における領家支配の変遷
  • エンカクチ ショウエン ノ シハイ コウゾウ チンゼイ シマズソウ ニ オケル リョウケ シハイ ノ ヘンセン

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抄録

荘園制の歴史的性格を把握するには、それが荘園領主の土地所有体制である以上、荘園領主による荘園経営のあり方を系統的に追及することが必要である。本稿は従来そのよ うな観点からする研究を殆んど欠いていた思われる遠隔地荘園について、摂関家領鎮西島津荘を素材に考察したものである。その領家支配のあり方とその変遷、及びその存続の諸条件を明らかにすることを主目的とし、併せて従来考えて来た在地領主制のあり方についても、権力の問題を含みこんでより全体的に把握するための一つの基礎作業たらしめることを意図した。その結果、荘園機構が荘政所体制→預所体制→給主体制と移行し、荘政所体制は摂関家の所務に、預所体制・給主体制は一乗院の所務に対応すること、鎌倉末の預所体制から給主体制への移行によって、荘園支配は決定的に在地から浮き上り、その所務は在地領主の請負いとなること、それにも拘らず荘園支配が存続しえたのは、惣地頭と小地頭を御家人として併存せしめるような鎌倉幕府法的秩序によ点が大きかったこと等を指摘した。

収録刊行物

  • 史林

    史林 45 (1), 35-74, 1962-01-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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