<論説>土佐藩初期藩政の展開と郷士制度の役割

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Development of early Tosa 土佐 Clan Government and the Role of Goshi 郷土 System

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説明

郷士制度は旧土豪・旧在地家臣に対する懐柔策として、またそれ故に藩体制の中に占める位置は副次的な機構として理解されてきた。ここでは土佐藩における郷士制度を初期藩政との関連で、その果す役割についてみた。主体的・客観的諸条件に規定されて展開する藩政は、慶長-元和期には幕府の過重軍役によって生じた走り者対策を重要な課題とした。また、寛永-寛文期は元和末年に藩財政の窮乏として表面化した藩体制内部の矛盾を克服することを課題とした。これらの課題をめぐって展開される藩政の中で、郷士の果した役割は一貫して地方支配の強化に重点がおかれてはいたが、村役人庄屋型、地方官僚型、初期藩営商人型と機能の上から三型にわけられるように、その活躍分野は各方面におよんでいた。土佐藩で郷士が初期藩政において重要な役割を果したのは、家臣団の量的不足という主体的条件と耕地の隘少性・山林の広大性からくる生産力の低さという客観的条件に規定された土佐藩の家臣団編成が郷土制度を必然化したことによっている。

収録刊行物

  • 史林

    史林 45 (4), 512-554, 1962-07-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853649778860800
  • NII論文ID
    120006818403
  • NII書誌ID
    AN00119179
  • DOI
    10.14989/shirin_45_512
  • HANDLE
    2433/249651
  • ISSN
    03869369
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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