<論説>奈良・平安時代の畠制度

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タイトル別名
  • <Articles>Field System in the Nara 奈良 and Heian 平安 Era
  • 奈良・平安時代の畠制度
  • ナラ ヘイアン ジダイ ノ ハタケ セイド

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説明

本稿は、奈良時代から平安時代にかけての畠の制度的変遷を明らかにしたものである。従来の見解によると、畠に対する直接的収取が行われるようになるのは十・十一世紀以降であるという。しかしそれは誤りで、陸田即ち雑殻類を栽培した畠からはすでに七一九年 (養老三年) より地子が徴取されていた。十世紀以降になると、他の畠からも地子が徴取されるようになる。又、従来の諸研究では、畠に対する私有権の変化が指摘されることは殆んどなかった。しかし、重大な変化が認められる。即ち、律令制下で畠は私有が認められていたが、その私有権は強大な国家公権下において認められたものだつた。ところが、十一世紀以降になるとこの国家公権は消減するのである。本稿は考察の範囲を畠の制度的側面に限定したが、斯かる制度的側面を無視して、我国における封建的土地所有の成立を論じることは出来ないと考えられる。

収録刊行物

  • 史林

    史林 45 (5), 641-667, 1962-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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