抗がん剤投与後の味覚変化と血清亜鉛値との関連 <原著論文>

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タイトル別名
  • The relationship between taste threshold change and serum zinc level in cancer patients treated with anticancer drugs <Original Articles>
  • 抗がん剤投与後の味覚変化と血清亜鉛値との関連
  • コウガンザイ トウヨ ゴ ノ ミカク ヘンカ ト ケッセイ アエンチ ト ノ カンレン

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抄録

化学療法の有害事象のうち味覚障害は発生頻度の高い有害事象である.味覚と血清亜鉛値との関連については以前から指摘されているが,抗がん剤投与後の味覚変化に血清亜鉛値が影響していることを示した報告は少ない.本研究の目的は,抗がん剤投与後のがん患者の味覚閾値と血清亜鉛値を測定し,両者の関連性を検証することである.60名のがん患者の抗がん剤投与前,抗がん剤投与後3日と投与後6日に味覚と血清亜鉛値,血清銅値を測定した. 抗がん剤投与後の味覚の変化は,塩味で時間経過による有意差を認めた(p<0.01).血清亜鉛値でも時間経過による有意差を認めた(p<0.01).味覚と血清亜鉛値との関係では,抗がん剤投与後3日において,血清亜鉛値と塩味の感度に負の相関を認め(r =- 0.402,p<0.01),血清亜鉛値が低い時,塩味の感度が鈍麻したことが示された.一方,血清銅値と味覚感度には相関を認めなかった.抗がん剤投与後の味覚感度,特に塩味の鈍麻については血清亜鉛値との関連が示された.

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