鷹狩をめぐる江戸時代のツルと人との関わり : ツルの「保護」、人馴れ、人との軋轢の観点から

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タイトル別名
  • The Relationship between Cranes and Human Society in Falconry during the Edo Period: From the Perspective of Protection, Domestication and Confliction of Cranes
  • 鷹狩をめぐる江戸時代のツルと人の関わり : ツルの「保護」、人馴れ、人との軋轢の観点から
  • タカガリ オ メグル エド ジダイ ノ ツル ト ヒト ノ カカワリ : ツル ノ 「 ホゴ 」 、 ヒトナレ 、 ヒト ト ノ アツレキ ノ カンテン カラ

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抄録

本稿では紀伊藩の伊勢御鷹場を事例として、鷹狩をめぐるツルと人の関わりに着目し、江戸時代の鷹場管理がもたらしたツルの「保護」とその方法、およびツルヘの影響を明らかにすることを目的とした。分析にあたっては、生物としてのツルの実態に基づいて検討を行った。伊勢御鷹場には、ツルの飼い馴らしや餌付けなどを行う綱差や鶴飼付役が配置され、鷹場ではイヌやネコの管理の徹底や、周辺地域をも含めた銃砲規制などが行われた。これらの措置は、ツルの生態や行動からみても適切であり、ツルを「保護」し、渡来や定着を維持する方法として効果的であったと評価できる。一方で、江戸時代のツルの「保護」はツルの人馴れを引き起こし、さらには、ツルによる農作物被害など人との軋礫を助長させた可能性がある。鷹狩をはじめとする江戸時代の武家社会におけるツルの重要性を背最として、江戸時代のツルと人の間には特異な関係性が構築されていた。

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