依頼と勧誘 : 受益者表現の日英対照を中心に

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  • Request and Invitation : Expressions of the Beneficiary in Japanese and English

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説明

英語では依頼と勧誘が同じ表現で表わされることが多いのに対し、日本語では、依頼と勧誘を表わす語彙(「どうぞ」「すみませんが」「お願いします」)や構文(授受動詞の有無、「~ませんか」「~てくださいませんか」の使用など)にかなりはっきりした区別 がある。これは、この二つの発話行為が受益者の観点から明確に区別されているため、その表現も相互に入れ替えることが難しいのだと考えられる。 とくに、丁寧な間接依頼文では話し手が受益者であることを明示する。即ち授受動詞を用いることが必須である。これは依頼の適切性条件の中に「xにとってyがxのためにその行為をするかどうかは自明でない。」という準備条件が組み込まれているためと考えられる。 このように相手に負担をかけていることを表出する傾向の強い日本語の教育においては、受益者が誰であるかに関心を向けさせる必要がある。

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