竹越与三郎と『明治天皇紀』編修事業 : 稿本「明治天皇紀」の分析

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タイトル別名
  • An analysis of the compilation of Takekoshi Yosaburo's "Meiji Tenno Ki"
  • タケコシ ヨサブロウ ト メイジ テンノウキ ヘンシュウ ジギョウ : コウホン メイジ テンノウキ ノ ブンセキ
  • 竹越与三郎と明治天皇紀編修事業 : 稿本明治天皇紀の分析

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抄録

本稿は、竹越与三郎が宮内省臨時帝室編修官長在任中に執筆した稿本「明治天皇紀」の特色を考察することを目的とする。竹越の稿本「明治天皇紀」は、「第一巻 緒論」、「第二巻 明治前紀甲」、「第三巻 明治前紀乙」、「第四巻 明治前紀丙」、「第五巻 明治前紀丁」の五冊から成るが、戦後公刊された『明治天皇紀』と比較すると、竹越稿本の最大の特色は、「第一巻 緒論」において、明治天皇生誕以前の歴史を叙述しているところにある。そしてそこでは、「歴史の本体は経済的動機にあり」(『日本経済史』)とする観点から、江戸幕府の崩壊が論じられている。また、明治天皇生誕以後を記述した「第二巻 明治前紀甲」以降についても、特に同時代の「国勢」に関する記述に公刊本『明治天皇紀』との大きな違いが見出される。竹越の編修官長辞任の要因は不明だが、もし彼が辞任していなければ、公刊された『明治天皇紀』とは大きく異なるものが完成していたに違いない。

収録刊行物

  • 同志社法學

    同志社法學 59 (2), 649-678, 2007-07-31

    同志社法學會

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