介護労働者の早期離職に関わる要因 : リアリティ・ショックの視点から

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  • A review of studies on factors of Japanese care workers' early turnover : from the viewpoint of reality shock
  • カイゴ ロウドウシャ ノ ソウキ リショク ニ カカワル ヨウイン : リアリティ・ショック ノ シテン カラ
  • 介護労働者の早期離職に関わる要因 : リアリティショックの視点から

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抄録

近年、高齢化の進展にともなって、日本における介護労働の需要は増加の一途をたどっている。一方で、介護労働者はその職務内容や労働環境、過酷なイメージなどから、多くの問題を抱えている。その中でも、介護労働者への今後のさらなる需要の高まりを考慮する上で、早期離職率の高さは特に憂慮すべき課題である。そこで、本論文では、介護労働者における早期離職に関して、1年未満での離職率が高いという特徴について既存の統計調査を基に言及した上で、早期離職の要因として、賃金に関する問題と、入職者のリアリティ・ショックに関する問題を取り上げている。賃金の問題に関しては、先行研究などから、介護労働の早期離職への影響については部分的であり、それだけでは早期離職、特に1年未満での離職の十分な改善にはつながらない可能性を示唆している。そして、リアリティ・ショックの問題に関しては、先行研究などの文献をレビューした上で、介護労働者における今後の研究課題について考察している。その結果、研究課題として、以下の四点を挙げた。第一に、介護労働者が直面するリアリティ・ショックの対象や構造に関する検討、第二に、実際に就業経験を持つ、あるいは継続して就業している労働者を対象とした実証研究の蓄積、第三に、介護労働におけるリアリティ・ショックのポジティブな効果についての検討、そして第四に、以上の課題の検討結果を踏まえての、介護労働におけるリアリティ・ショックへの組織的な対応策や周囲からのサポートのあり方についての検討である。

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