タイ・マレー半島地域の石炭紀腕足類化石群について

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  • Carboniferous brachiopod faunas in Thai-Malay Peninsula
  • タイ マレー ハントウ チイキ ノ セキタンキ ワンソクルイ カセキグン ニ

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抄録

1. タイ・マレー半島地域での石炭紀腕足類化石群の分布を眺めると,前期石炭紀化石群は半島部に集中し,中期石炭紀化石群は半島部やタイ中北部などの広域にわたり分布する. / 2. マレー半島中央部のPahang州内で互いに近接して産出する前期石炭紀化石群のうち石灰岩相からのものは,従来その時代は後期Visean とされていたが特に随伴するコノドント化石群の内容から前期Namurianに対比される方が妥当であり, この考えは上部Visean~下部Namurianにおける腕足類化石群の変遷史にみられる特徴と矛盾しない. / 3. タイ・マレー地域の中期石炭紀腕足類化石群にはフズリナ化石群がしばしば伴われ, これの内容から詳細な時代決定が可能となった. / 4. 本地域の石炭紀腕足類化石群は明らかにテチス地域に属し,ユーラシア各地の化石群との間に密接な類縁関係がみとめられる. / 5. 一方,オーストラリアの中期石炭紀腕足類化石群との問には類縁性がほとんどなく,両者のこの関係はタイ・マレー半島地域においては後期Bashkirianないし前期Moscovianの頃にはすでに顕著である.両地域における化石群の対立は後期Namurian~前期Bashkirianの頃から生じたものと考えられる.

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