B型慢性肝炎患者に合併した乏血性結節を画像フォローアップ中に9年目で多血化を呈した肝細胞癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A patient with chronic hepatitis B who developed hepatocellular carcinoma with hypervascularity in 9 years of close follow-up
  • Bガタ マンセイ カンエン カンジャ ニ ガッペイ シタ ボウケツセイ ケッセツ オ ガゾウ フォローアップ チュウ ニ 9ネンメ デ タケツカ オ テイシタ カン サイボウ ガン ノ 1レイ

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抄録

<p>40歳女性.B型肝炎に対し20XX-10年よりインターフェロンの投与を行ったがALT高値が持続していたため,20XX+5年よりエンテカビル投与を行い,翌年HBV DNAは陰性化した.</p><p>20XX年に造影MRI検査にて肝S6に肝細胞造影相で低信号,T2強調画像,拡散強調画像で高信号を呈する約10 mmの結節を認めたが,動脈優位相で造影効果はみられなかった.早期肝細胞癌の可能性を念頭に経過観察を行っていたが,約9年の間,画像変化はなく,腫瘍マーカー上昇もみられなかった.20XX+9年,造影MRI検査の動脈優位相にて濃染が出現し,造影CT検査でも早期濃染を認めた.多血化した肝細胞癌が疑われたため,20XX+10年に肝S6亜区域切除術を施行し,中分化型肝細胞癌と診断された.</p><p>本症例は乏血性結節が長期間不変であったにもかかわらず,約9年後に多血化がみられており,示唆に富む症例であったため報告する.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 63 (1), 24-34, 2022-01-01

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (5)*注記

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