成人における歯周病と喫煙や全身疾患に関する知識が歯科保健行動に与える影響

  • 松田 優奈
    日本歯科大学東京短期大学専攻科 歯科衛生学専攻
  • 野村 正子
    日本歯科大学東京短期大学 歯科衛生学科

書誌事項

タイトル別名
  • The effects of knowledge of periodontal disease, smoking, and systemic diseases on adults’ dental health behavior
  • セイジン ニ オケル シシュウビョウ ト キツエン ヤ ゼンシン シッカン ニ カンスル チシキ ガ シカ ホケン コウドウ ニ アタエル エイキョウ

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抄録

<p> 本研究の目的は,成人を対象として,歯周病と喫煙や,歯周病に関連する全身疾患(心血管疾患,脳血管疾患,糖尿病)に関する知識の有無と歯科保健行動の関連について調査し,その分析結果を,今後の歯周治療における患者への歯科保健指導に応用することである.</p><p> 対象は,20歳から59歳の男性103人,女性50人の計153人の一般社会人である.同意を得られた人にのみ無記名自記式の質問紙によるWeb調査を行い,デジタルデータとして回収したものを集計し,統計学的解析を行った.</p><p> 本調査の結果,歯周病と喫煙に関する知識がある人は,知識のない人よりも,有意に定期歯科健診を受診していた.さらに,歯周病と喫煙や全身疾患に関する知識がある人は,知識のない人よりも,昼食後に有意に歯磨きを行っていた.加えて,補助的清掃器具(歯間ブラシやデンタルフロス)も有意に多く使用していた.</p><p> 歯周病と喫煙や全身疾患に関する知識がある人は,明らかに歯科保健行動が良いことから,歯科衛生士が歯周治療時に積極的に歯周病に関連する全身疾患についても情報提供を行うことが大切であり,患者の知識の充足が,歯周病ばかりではなく,禁煙や歯周病に関連する全身疾患の予防や治療に貢献すると考えた.</p>

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