タマネギ外皮添加レシピの抗酸化力に与える調理方法と食品成分の影響

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  • Effects of cooking methods and food ingredients on the antioxidant activity of onion peel addition recipes

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抄録

<p>ケルセチンは,抗酸化力が高いことが知られている.タマネギ外皮(OP)には高濃度でケルセチンが含まれるため,OP 摂取によって,体内で抗酸化力が働くことが考えられる.OP は他の食品と一緒に調理して食べるため,調理によってOP 抗酸化力の変化が考えられる.そこで,本論文では,OP の抗酸化力が調理法や材料に使う食品の成分によって,どのような影響を受けるか検討することを目的とした.</p><p>OP 粉末を添加したレシピ48 種について検討を行った.標準として,同じレシピでOP 粉末を添加しない 48 種の料理を作成した.これらの96 種の料理を粉砕し試料溶液とした.試料の脂溶性,水溶性抗酸化力をDPPH(1,1-diphenyl-2picrylhydrazyl)法で測定を行った.さらに,各レシピに使った材料の51 成分を日本食品成分表に基づいて算出を行った.測定したOP の抗酸化力と,調理方法と材料成分との関係を調べた. OP 粉末添加によるレシピは,脂溶性では36 レシピ(75%),水溶性では27 レシピ(56%)で抗酸化力が高くなった.OP による抗酸化力の増加割合は,脂溶性では平均1.34±0.48,水溶性では1.06±0.29 であった.添加によって脂溶性抗酸化力が有意に高く(p < 0.01)なり,水溶性では有意差は示されなかった.</p><p>「炒める」調理法ではOP による抗酸化力の増加割合は,脂溶性では平均1.66±0.67 で抗酸化力が有意に高い割合を示した.食品成分については,不溶性食物繊維,水溶性食物繊維,総食物繊維が(p < 0.01),さらにカリウム,ヨウ素,鉄が(各p =0.01, 0.01, 0.05),脂溶性抗酸化力を上昇させ,モリブデンが(p = 0.05)水溶性抗酸化力を有意に上昇させる成分であることが示唆された.</p>

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