自動血球計測装置 Unicel DxH800 のシステムメッセージによって発見された三日熱マラリアの一例

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タイトル別名
  • A Case of Plasmodium vivax Discovered by System Measurement Unicel DxH800 TM

抄録

マラリアは世界的に重要な感染症の一つであり,診断確定には血液塗抹標本を作成し光学顕微鏡にて検査する形態学的診断法を用いることが一般的である1 )). しかし, 直近に渡航歴がなく積極的にマラリアを疑わない場合は血液塗抹標本を作製しないこともあり,自動血球計測装置のみでの異常発見は重要である.今回我々は自動血球計測 装置のシステムメッセージによって偶然に三日熱マラリアが発見された症例を経験し た。本 症例において著者らは,①ヒストグラム異常,スキャッター・プロット異常の再検討,②光学顕微鏡による形態学的治療効果判定とMalaria Factor の比較を行った. Malaria Factorとはベックマン・コールター社の自動血球 計測装置 Unicel DxH800 のスキャッター・プロットのデータを数値化したセルポピュレーションデータから算 出でき, ,[[(単球の体積 SD× リンパ球の体積 SD )÷ 100 Cut Off 値 3.7 以上 の式 より成り立つ. 今回の測定結果は他の報告事例のマラリア感染時と同様の波形,プロットを示しており, Malaria Factor は臨床経過にて目視で確認できるマラリア原虫数と相関性がみられた. Malaria Factor はマラリア感染症の鑑別診断や治療判定において有用な指標になると考えられる.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853879728123136
  • NII論文ID
    130008150710
  • DOI
    10.24473/yamanashiigakukensa.2020.1_20
  • ISSN
    21890978
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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