説明
<p>姿勢が気分に与える影響は知られているが,姿勢が注意に与える影響は十分な検討がされていない。本研究では前傾と後傾姿勢を教示し,対象者の大学生(N=75)を前傾群(n=41),後傾群(n =34)に分けて実験した。前傾は「背筋を伸ばして机の方に傾けた」座位姿勢で,後傾は「椅子に浅めに座って,背もたれにもたれかかった」座位姿勢であった。気分評価は姿勢教示前後で「無気力な-意欲的な」など11個の形容詞対を用いた。注意課題にはSCAN課題,疑似クレペリン課題を用いた。その結果,前傾・後傾姿勢をとることで「注意していない-注意している」など8個の形容詞対で気分の変化が有意に生じた(ps<.046)。SCAN課題,疑似クレペリン課題では有意差はみられなかった。教示による意図的な前傾姿勢はポジティブな気分を促進し,後傾姿勢はネガティブな気分を促進することが示唆された。一方,姿勢が注意に影響するという証拠は得られなかった。本研究は大教室での集団実験であったことから,環境が十分に統制されていたとは言えず,今後,実験室での個別実験など,より統制された環境で実験を行うことが望まれる。</p>
収録刊行物
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- 日本心理学会大会発表論文集
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日本心理学会大会発表論文集 85 (0), PI-036-PI-036, 2021
公益社団法人 日本心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390854717730628992
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- ISSN
- 24337609
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可