EUS-FNAで術前に確定診断できたTS1の多形細胞型退形成癌の1例

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タイトル別名
  • A patient with pleomorphic anaplastic carcinoma TS1 diagnosed preoperatively by EUS-FNA

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抄録

<p>症例は70歳代,女性.心窩部痛の精査目的に施行した腹部超音波検査にて主膵管の拡張を認め,精査目的に紹介となった.造影CTにて膵頭部に約15mm大の造影効果のある腫瘤性病変を認めた.同腫瘤に対してEUS-FNAを施行し,紡錘形細胞や大小不同を有する多形性の細胞,さらに破骨型多核巨細胞を伴っている異型細胞を認めた.これらの異型細胞は,免疫染色でCD68(KP-1)陽性であり,膵頭部の退形成癌と診断し,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.手術検体の病理組織学的検査で多形細胞を主として,紡錘形細胞や破骨型多核巨細胞を認め,多形細胞型退形成癌TS1,pT1cと診断された.現在,術後9か月で無再発生存中である.術前のEUS-FNAにて確定診断ができ,切除し得たTS1の退形成癌を経験したので,文献的考察を加えて報告する.</p>

収録刊行物

  • 膵臓

    膵臓 37 (2), 104-111, 2022-04-28

    一般社団法人 日本膵臓学会

参考文献 (15)*注記

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