東京の市販ベーグルの形状および硬さなどの品質特性について

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  • Quality Characteristics of Commercially Sold Bagels in Tokyo, Japan

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抄録

<p>現在日本で市販されているベーグルの種類は,クラストやクラムの食感が様々であるが,品質評価に関する報告は少ない。東京で販売されているベーグルの形状測定,水分測定,色差測定,破断測定,断面の気泡の画像解析を行い,これらの実験値を用いて主成分分析を行い,以下の結果が得られた。各ベーグルの重量は,63.4 gから187.6 gまで様々であり,比容積も1.8から3.9(m3/kg)であり,さまざまな形状であった。水分含有量は28.7%から36.8%の範囲であり,低水分含有量がベーグルの特徴であることが示された。また,クラストの硬度は1.0×105 N/m2から10.7×105 N/m2,クラムの硬度は1.0×105 N/m2から6.2×105 N/m2の範囲であった。気泡の数は44.7から112.3の範囲であり,気泡の数とベーグルの硬度の間には,有意な負の相関(R=−0.801)が示され,クラム中の気泡数が増えるにつれて,ベーグルの食感が柔らかくなることが示された。主成分分析では,第一因子は「ベーグルの膨化の状態とクラムの品質」,第2因子は「外部観察による形状」,第3因子は「クラストの品質」と考えられた。各ベーグルの主成分スコアをプロットしたところ,5つのタイプに分類された。以上の結果から,東京で販売されているベーグルには,柔らかな食感からタフな食感まで様々な品質特性があることが示された。 また,クラム中の気泡数が増えるにつれてベーグルの重量は減少し,食感も柔らかくなることから,手に持ったときの比重が食感を推測する参考になることが示唆された。</p>

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