牛の形質細胞への分化を伴う慢性リンパ性白血病の1例

  • 吉崎 康二郎
    中丹家畜保健衛生所
  • 万所 幸喜
    中丹家畜保健衛生所
  • 三上 修
    (国研)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門北海道研究拠点
  • 石川 義春
    (国研)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門北海道研究拠点
  • 門田 耕一
    (国研)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門北海道研究拠点

書誌事項

タイトル別名
  • Chronic Lymphocytic Leukemia with Plasmacytic Differentiation in a Cow

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抄録

<p>牛白血病ウイルス(BLV)陰性の5歳のホルスタイン種雌牛において,形質細胞への分化を伴う慢性リンパ性白血病が認められた.腫瘍細胞の増殖により全身性にリンパ節が腫大し,さまざまな部位で腫瘍細胞の囲管性浸潤や集簇がみられた.腫瘍細胞は多種類の構成細胞から成り,リンパ球様細胞と形質細胞様細胞に分けられた.これらの細胞は免疫組織化学的にCD20とCD5が陽性で,形質細胞様細胞の細胞質内には免疫グロブリンM(μ鎖,λ鎖)の存在が証明された.一部に免疫グロブリン陰性の大型リンパ球様細胞の集簇巣があり,これは大細胞型リンパ腫への組織学的移行(大細胞転化)を示すと考えられた.CD5が発現し,形質細胞様細胞の細胞質が比較的乏しい本症例は,CD5が陰性で,腫瘍性形質細胞の細胞質が豊富なリンパ形質細胞性リンパ腫とは容易に区別された.</p>

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参考文献 (18)*注記

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