出産後の腹圧性尿失禁の重症度に関連する要因の検討

  • 渡邉 観世子
    国際医療福祉大学 保健医療学部 理学療法学科
  • 岸 夏海
    医療法人貞心会 西山堂病院 リハビリテーション科
  • 平井 里奈
    学校法人獨協学園 獨協医科大学病院 リハビリテーション科
  • 縄田屋 歩実
    医療法人社団 協友会 柏厚生総合病院 リハビリテーション室
  • 久保 晃
    国際医療福祉大学 保健医療学部 理学療法学科

書誌事項

タイトル別名
  • Survey to identify factors influencing the severity of stress urinary incontinence in women post-childbirth

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説明

<p>本研究の目的は出産を経験した女性の周産期と現在の腹圧性尿失禁症状の有無や程度、さらに腹圧性尿失禁症状に関連する要因を明らかにし、リハビリテーション介入の指針を得ることとした。対象は出産を経験した81 名の女性(平均年齢43.1 歳)で、周産期および現在の尿失禁症状の程度をInternational Consultation on Incontinence Questionnaire-Short Form(ICIQ-SF)にて評価した。その他に出産回数、子どもの出生体重、出産後の経過年数を聴取した。現在の腹圧性尿失禁の有無や重症度(ICIQ-SF の点数)に関連する要因を明らかにするために相関分析を行い、さらに現在の腹圧性尿失禁の有無を従属変数、その他の要因を独立変数とした二項ロジスティック回帰分析を行った。本研究の対象者は出産後の経過年数の平均が13.2 年で、81 中36 名(44.5%)の対象者が現在において腹圧性尿失禁症状があると回答した。現在の腹圧性尿失禁の有無やICIQ-SF の点数に関連する要因としては、周産期のICIQ-SF の点数と子どもの平均出生体重が抽出された。本研究の結果から出産後も腹圧性尿失禁症状を有する実態が明らかとなり、このような症状を引き起こす要因として、周産期の尿失禁の程度が重篤であることや子どもの出生体重が重いことが関連していた。本研究の結果はリハビリテーションの現場において、周産期から出産後の腹圧性尿失禁を把握し、骨盤底筋群トレーニングなどの介入の必要性を判断するための指標となる。</p>

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