下肢静脈瘤硬化療法における硬化剤(ポリドカノール)の至適濃度の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Concentrations of Polidocanol for Sclerotherapy in the Treatment of Varicose Veins

この論文をさがす

説明

<p>下肢静脈瘤硬化療法の硬化剤であるポリドカノール(POL)の至適濃度を検討するために,多施設共同研究を行った.1995年2月より1997年5月まで経験した一次性下肢静脈瘤患者259名を対象とした.静脈瘤径1mm未満(Group 1),1mm以上3mm未満(Group2)及び3mm以上(Group 3)に分け,POLの濃度を封筒法にて割り付け前向き試験を行った.静脈瘤の消失率はGroup 1において,POL0.5%と1.0%では差がなく,0.25%に比べ0.5%が有意に高かった(p<0.01~0.001).Group 2においては,1.0%と2.0%間では差は認められず,0.5%と1.0%では1.0%が有意に有効であった(p<0.01~0.005).Group 3では,2.0%に比べ3.0%が有意に高かった(p<0.05).全身性合併症を生じた例は認めず,局所の合併症として瘤内血栓30.9%,色素沈着27.0%の発現を認めた.以上から,硬化剤ポリドカノールは,瘤径1mm未満には0.5%,瘤径1mm以上3mm未満では1.0%,瘤径3mm以上には3.0%が至適濃度と考えられた.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 15 (1), 33-44, 2004

    日本静脈学会

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (3)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ