水溶性食物繊維Fuji FFイヌリン4週間摂取によるアレルギー性鼻炎様症状改善効果 : ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験

  • 菊島 健児
    名古屋市立大学大学院医学研究科統合解剖学分野
  • 永柄 真澄
    九州大学農学研究院環境農学部門サスティナブル資源科学講座森林圏環境資源科学研究室
  • 原 健二郎
    フジ日本精糖株式会社品質保証部
  • 大貫 啓子
    株式会社ユーザーライフサイエンス
  • 清水 邦義
    九州大学農学研究院環境農学部門サスティナブル資源科学講座森林圏環境資源科学研究室
  • 大貫 宏一郎
    九州大学農学研究院環境農学部門サスティナブル資源科学講座森林圏環境資源科学研究室 近畿大学産業理工学部生物環境化学科

書誌事項

タイトル別名
  • Improvement in Nasal Allergy-like Symptoms after 4 Weeks Supplementation of Soluble Dietary Fiber, Fuji FF Inulin : A Randomized, Placebo-controlled, Double-blind, Parallel-group, Clinical Study

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説明

アレルギーは制御性T細胞(Treg) を介した免疫寛容機構の異常によって引き起こされるが,経口免疫寛容機構には酪酸など腸内細菌による食物繊維の代謝物が重要である.イヌリンはヒトの消化酵素では代謝を受けずに,食物繊維として腸内細菌叢を変化させることが知られており,イヌリンを摂取することにより免疫寛容機構に働きかけ,アレルギーヘの対処法となることが期待される.本実験において,我々は,酵索合成による水溶性イヌリン: FujiFFの摂取がアレルギー症状や粘膜免疫に及ぼす効果を検証するために,様々なアレルギー症状を有する成人男性13名,女性36名の計49名を対象とし, ランダム化プラセボ対照二直盲検並行群間比較試験を実施した被験者は水溶性イヌリンであるFuji FFまたはプラセボを4週間摂取し,摂取に伴う免疫機能変化を2種の質問紙検査,および唾液検査により検証を行った.皮膚疾患特異的QOL評価尺度(DLQI)、ならびに唾液検査において顕著な効果は認められなかったのに対して、日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票(JRQLQ) から,鼻炎の悪化を抑制する効果が示唆されたこれらの臨床試験結果は, FujiFFを4週間の摂取することで,とりわけアレルギー性鼻炎様症状を改善する効果のあることを支持するものであり,新たなアレルギー治療としての応用が期待される.

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