底曳網漁業による海底擾乱が大阪湾の水質と一次生産に及ぼす影響

  • 中谷 祐介
    大阪大学 大学院工学研究科地球総合工学専攻
  • 稲垣 翔太
    元大阪大学 大学院工学研究科地球総合工学専攻
  • 鹿島 千尋
    大阪大学 大学院工学研究科地球総合工学専攻
  • 秋山 諭
    大阪府立環境農林水産総合研究所 水産研究部
  • 木村 祐貴
    大阪府立環境農林水産総合研究所 水産研究部

書誌事項

タイトル別名
  • INFLUENCES OF SEABED DISTURBANCE CAUSED BY DREDGE NET FISHERY ON WATER QUALITY AND PRIMARY PRODUCTION IN OSAKA BAY

抄録

<p> 底曳網漁業(石桁網)による海底擾乱を大阪湾における新たな栄養塩供給機構として捉え,操業実績や底質調査データを基に,曳網による栄養塩負荷量を算定した.また,三次元流動水質シミュレーションを行い,大阪湾の水質と一次生産に及ぼす影響を定量的に評価した.その結果,底曳網漁業による栄養塩負荷量が大阪湾への総負荷量に占める割合は,夏季には1~3%にとどまる一方で,冬季には4~14%にも及ぶと推定された.また,底曳網漁業による海底擾乱は,冬季には大阪府沿岸の窒素濃度を上昇させ,同海域の一次生産量を増加させることがわかった.さらに,湾全体の一次生産量を約1.03%も増加させるなど,湾スケールの低次生態系に無視できない影響を及ぼすことが明らかになった.</p>

収録刊行物

参考文献 (7)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ