高圧電流による電撃傷の4症例

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  • Four cases of electric injury caused by high-voltage current

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抄録

<p>【はじめに】電撃傷では電気エネルギーや熱エネルギーにより, 熱傷, 神経筋損傷, 不整脈, 横紋筋融解に伴う腎障害などさまざまな合併症をきたし得る。われわれは過去14カ月間に経験した4例の電撃傷について検討した。【症例】33~80歳の男性で, 6,000~60,000Vの高電圧で受傷し, 全症例に小範囲熱傷と軽度creatine kinase (以下, CK) の上昇 (最高値649~2,022IU/L) があり, 入院中には特記すべき異常がなく, 重篤な病態には至らなかった。1例 (6,000V, CK最高値1,130IU/L) で指切断と皮弁形成術を要した。また他の1例 (6,600V, CK最高値 649IU/L) で退院後に胸椎圧迫骨折が判明した。【考察】CKは高電圧ほど高値を呈し, 減張切開や皮弁形成の要と有意に相関するとされるが, 本検討では無関係であった。また電撃傷では外表面に現れない損傷が潜む可能性があり, 症状に応じて積極的精査が必要であると考える。</p>

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