日本歯科専門医機構の認証を目指し改定された日本補綴歯科学会の専門医制度:ミクロの視点

  • 鮎川 保則
    九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座

書誌事項

タイトル別名
  • The Revision of Prosthodontic Specialist System toward Certification by Japanese Dental Specialty Board: A Micro Perspective
  • – Prosthodontist Education Curriculum –
  • ─補綴歯科専門医教育カリキュラム─

抄録

<p> 公益社団法人日本補綴歯科学会では,教育問題検討委員会を中心として一般社団法人日本歯科専門医機構が求める,補綴歯科専門医を育成するためにふさわしい教育カリキュラムの構築を進めてきたが,このたびカリキュラムが概ね完成したことから,第131回学術大会でそのあらましを報告した.セミナーでは時間の制約もあり,お伝えできなかった項目もあることから,本稿は改めて会員の先生方に教育カリキュラムの内容を知っていただく目的で執筆した.</p><p> 補綴歯科専門医制度のカリキュラム設計は,ファンダメンタルとして補綴歯科専門医の基本知識・技能を学修する基本研修があり,そのうえに大きく分けて症例を基準とした「ケースシリーズベース評価」と,補綴歯科専門医が満たすべき能力の視点からの「コンピテンスベース評価」の二本立ての評価を行う.これらの評価や学習到達度については,いわば実習帳ともいうべき「補綴歯科専門医研修評価記録」に整理する.本稿では主に補綴歯科専門医研修評価記録の記載方法について概説しつつ,機構認定の補綴歯科専門医資格取得に必要な単位,試験について解説する.</p><p> 現在このカリキュラムは各研修機関で試用を行っており,内容の矛盾点や運用上の問題点の改善のために随時改訂を行っていく予定であるが,基本骨格については概ね固まっていると考えていただいて差し支えない.若手補綴歯科医の指導や,教育を受ける若手歯科医師の参考にしていただきたい.</p>

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