漆滲出長と成長・葉特性を用いた漆滲出量の多いクローンの簡易判別

  • 田端 雅進
    国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所東北支所
  • 井城 泰一
    国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所林木育種センター東北育種場
  • 田村 美帆
    九州大学大学院農学研究院
  • 渡辺 敦史
    九州大学大学院農学研究院

書誌事項

タイトル別名
  • Simple Identifying Highly Productive Lacquer Tree (<i>Toxicodendron vernicifluum</i>) Clones by Measuring Resin Exudate Length, Tree Growth Traits, and Leaf Characteristics
  • シツシンシュツチョウ ト セイチョウ ・ ハ トクセイ オ モチイタ シツシンシュツリョウ ノ オオイ クローン ノ カンイ ハンベツ

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説明

<p>国宝・重要文化財の保存・修復のために日本産漆の増産や安定供給が不可欠である。しかしながら,漆滲出量の多いクローンはほとんど明らかになっていない。本研究ではDNA分析によって茨城県7カ所の分根由来のウルシ林におけるクローン構造を解明し,複数のウルシクローンの漆滲出量を測定した。さらに漆滲出長,成長特性および葉特性と漆滲出量との関連性を調べ,漆滲出量の間接的な評価が可能な指標を探索した。その結果,調査したサイト1~7においてクローンA~Jの10クローンが検出され,検出されたクローンEが全体の約50%を占め,植栽個体に特定クローンの偏りが生じていた。漆滲出量はクローン間で有意な違いがあり,また胸高直径においてもクローン間差が認められ,胸高直径が大きいクローンで漆滲出量が多かった。また,成長・葉特性についてはサイトが異なってもクローンの順位がほとんど変わらず,10年生前後から20年生の個体を対象に漆滲出量の多いクローンを漆滲出長に加えて胸高直径や葉特性から簡易に判別できると考えられた。</p>

収録刊行物

  • 日本森林学会誌

    日本森林学会誌 105 (3), 87-95, 2023-03-01

    一般社団法人 日本森林学会

参考文献 (6)*注記

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