特集:パーソン・センタード・セラピーの展開 : 対話系パーソン・センタード・セラピーによるPTSDの治療論 : Murphy(2009)の紹介と考察

抄録

対話系パーソン・センタード・セラピー(PCT)の理論においては、Rogers(1959)のパーソナリティ理論がPTSDおよびそこからの回復のメカニズムを説明しているほか、それ以外にも治療論はある。しかし実際の事例を示す研究は少ない。Murphy(2009)は対話系PCTによる事例研究であり、症状消去を目指す他学派のセラピーとは違って、治療関係によるクライエントの回復のプロセスを描写している。本論文はその事例研究を紹介した上で、実際のPTSDの事例をRogers(1959)の理論がどのように対応するのかを考察するものである。

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