通級指導教室を利用する生徒が在籍する通常学級の担任教師が行う学級経営の工夫

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  • An Exploratory Study on Management of a Regular Class with Resource Room Students

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抄録

本研究の目的は,通常学級の担任教師が通級指導教室を利用している生徒が起こす予想外の行動をどのように理解し,学級の他の生徒たちと,学級という集団の質を向上させていくのかその経過を,担任教師にインタビュー調査を行い検討することであった.勤務する公立中学校に通級指導教室が設置されていること,自分の担任する学級に通級指導教室を利用する発達障害の生徒が在籍していること,教師経験年数が20年以上であることという条件を満たす3名の教師を対象に,半構造化面接を行った.半構造化面接の結果を修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析した結果,4つのカテゴリーと9つのサブカテゴリーが生成された.担任教師は,発達障害の生徒の対応に困難を感じた時に,《通級指導教室の教師に援助要請》を行う.その後,通級指導教室の担当教師が,《学校内の教師から支えられる》体制作りや,《保護者との信頼を形成する》調整を行う.その結果,担任教師は落ち着いて学級全体を見ることが可能になり,発達障害の有無に関わらず,生徒たちはお互いの個性を認めあいながら適切な関わり方が出来るようになり,《学級の一体化》が成立したと考えられる.

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