深い学びの本質についての探究的試論

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  • 事例調査からみえてくるもの

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平成29年3月に新学習指導要領が告示され,改訂のキーワードの一つとして,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善が重要視された。そして,小学校学習指導要領の解説総則編によれば,深い学びを「習得・活用・探究という学びの過程の中で,各教科等の特質に応じた『見方・考え方』を働かせながら,知識を相互に関連付けてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見いだして解決策を考えたり,思いや考えを基に創造したりすることに向かう。」ことと述べている。  今ここに,筆者が10年以上に亘り授業観察を継続してきたM県の公立S小学校の道徳科授業における子どもの学びの事実がある。すなわち,「神父さんの広い心に驚きました。私は今まで何でも絶対許すことができなかったけど,ミリエル神父のようにそこまではできないかもしれないけど,これからは少しでも広い心をもって生活しようと思いました(教材名「銀のしょく台」出典 東京書籍,第6学年,寛容・謙虚)。」と。この子どもの学びの事実から,自分の考えをしっかりと持って,自身の内的な世界を広げた喜びを生き生きと語っている姿が窺える。つまり,この子どもの一連の学びのなかに主体的・対話的な学びを経て今まで自分がもっていなかった感じ方や考え方に触れ,新しい発見や学びにつながっていった深い学びが具現化されていたと推察できる。  そこで本稿では,さらに深い学びの核心へ迫るために,公立S小学校の授業行為の具体的様相を明らかにすることを通して,深い学びの本質についての示唆を得たい。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390858752018550528
  • DOI
    10.20576/bojase.c3504
  • ISSN
    24241504
    09139427
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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