改良Meixner試験による自然毒成分α-アマニチンの検出性能に関する基礎的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Fundamental study on the performance of the modified Meixner test to detect the natural toxin α-amanitin
  • カイリョウ Meixner シケン ニ ヨル シゼン ドク セイブンa-アマニチン ノ ケンシュツ セイノウ ニ カンスル キソテキ ケントウ

この論文をさがす

抄録

<p>α-アマニチン(AMA)は主としてドクツルタケ(AV)等の毒キノコが有する自然毒成分である。我々はAMAの定性法であるMeixner試験の性能を検証した。過去の文献を参照したが,Meixner試験の詳細な手法に関する情報が乏しかった。そこで,我々は本試験の手順書を改めて独自に作製し,これを改良Meixner試験と名付けた。本研究の検体には,AMAを蒸留水(DW),ヒト尿,およびヒト血清にて調製した試料と,キノコの成分抽出試料を用いた。我々の手順書通りに改良Meixner試験を行った結果,DWで調製した200 μg/mLのAMA試料を検体として陽性反応を得ることができた。一方,本試験に使用する塩酸の濃度を下げると検出感度が低下した。DWに加え,尿および血清で調製した200 μg/mL AMA試料を検体としても,同様に陽性反応が得られた。なお,いずれの溶媒でも100 μg/mL未満のAMA濃度では陰性となった。各検体を加熱(100℃,30分)しても,試験結果に影響はなかった。ヘモグロビン成分を添加した血清および尿試料では感度が低下し,200 μg/mL未満のAMAで陰性となった。AVの成分抽出試料5検体のうち,陽性反応が得られたのは3検体であった。本研究において性能を検証した改良Meixner試験は,溶血試料や血尿試料を除き,≥ 100 μg/mL程度のAMA検出感度を発揮することが示された。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 72 (2), 173-181, 2023-04-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ