転移リンパ節に神経内分泌癌への分化を伴った胆嚢癌肉腫の1切除例

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タイトル別名
  • A case of gallbladder sarcoma with differentiation to neuroendocrine carcinoma in metastatic lymph nodes

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抄録

<p>症例は77歳女性.他病精査のCTで偶発的に膵頭部近傍に長径約90mm大の腫瘤を指摘された.EUS-FNA組織診の結果から十二指腸神経内分泌癌(Neuroendocrine carcinoma:NEC)と診断し亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織検査では,膵頭部近傍の腫瘤は一部リンパ組織が残存しておりリンパ節転移と考えられた.大部分がNEC成分で,腺癌,軟骨肉腫の成分も伴っていた.摘出標本で胆嚢底部に25mm大の結節性病変があり,病理組織学的には腺癌成分と軟骨肉腫成分から成り立っていた.また,12cリンパ節にも転移を認め,NEC成分のみであった.以上より腺癌,軟骨肉腫からなる胆嚢癌肉腫で,リンパ節転移の過程でNECへ分化したと診断した.本症例は興味深い転移形式を呈しており,腫瘍発生を考える上で貴重な症例であると思われたため報告する.</p>

収録刊行物

  • 胆道

    胆道 37 (2), 246-251, 2023-05-31

    一般社団法人 日本胆道学会

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