自傷行為により経皮的に侵入した複数の伏針を腹腔鏡下に摘出した1例

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タイトル別名
  • Laparoscopic Removal of Multiple Self-embedded Needles in the Peritoneal Cavity:A Case Study
  • ジショウ コウイ ニ ヨリ ケイヒテキ ニ シンニュウ シタ フクスウ ノ フクシン オ フククウキョウ カ ニ テキシュツ シタ 1レイ

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抄録

<p>症例は20歳台女性,統合失調症治療中で自傷行為を繰り返していた。上腹部痛を主訴に受診。腹部に多数の異物を認め,画像検査で10本の伏針を確認した。一部の伏針は肝,結腸への刺入が疑われた。X線透視を併用し腹腔鏡下に手術を施行した。腹腔内に到達していた伏針は7本でそれぞれ大網に被覆され,膿瘍形成や消化管損傷は認められなかった。すべての伏針を破損することなく摘出した。摘出した伏針は引き伸ばされたゼムクリップ2本と裁縫用針8本であった。自験例は伏針の本数が10本と本邦報告例のなかで最多であったが,低侵襲かつ安全に手術を施行可能であった。また自験例のように経皮的経路で侵入した金属製の伏針であれば,確実に対処することにより膿瘍などの合併症を起こすことなく,安全に経過することができると考えられた。</p>

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