ヒトiPS細胞由来血液脳関門モデルの構築とトランスポーター機能評価

書誌事項

タイトル別名
  • Construction of human iPS cells-derived blood-brain barrier model and evaluation of transporter function

抄録

血液脳関門(Blood-Brain Barrier:BBB)は、脳毛細血管内皮細胞同士が密着結合を形成することで、脳と血液間における物質輸送を厳密に制御している。脳内へのドラッグデリバリー技術、そして有効な中枢疾患治療薬の開発にとって、ヒト脳への移行性を評価できるin vitroモデルの構築が重要であるが、既存の動物および細胞評価系は種差や密着結合形成能の問題が指摘されている。近年、ヒトiPS細胞から脳毛細血管内皮細胞へ分化誘導する技術が開発され、強力な密着結合性を有するヒトBBBモデルとして期待されている。このヒトBBBモデルを創薬や疾患研究に応用するためには、密着結合のみならず、BBBにおける多様な機能性タンパク質の評価も重要である。本稿では、ヒトiPS細胞由来BBBモデルにおけるトランスポーター機能について、筆者らの研究成果を中心に紹介する。併せて、これまでに報告されている分化誘導方法や疾患研究への応用など、ヒトiPS細胞由来BBBモデルの有用性について概説する。

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参考文献 (23)*注記

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