魚練り製品の食品構造の違いが硬さに及ぼす影響 3Dフードプリンターへの応用を目指して

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タイトル別名
  • Effect of food structure of fish paste products on their hardness with the aim of application to 3D food printing

抄録

<p>【目的】3Dフードプリント技術は従来の調理法と違い,主にペースト状にした食材をノズルから射出し,縦横に動かしながら積層するという仕組みである。しかし,3Dフードプリンターを使うため,3Dモデル作りや食品についての知識が必要となる。そこで本研究では,冷凍すり身を使って,蒲鉾繊維の形状(外部・内部構造)を変更することにより,その硬さに及ぼす影響を調べ,3Dフードプリンターへのデータとして活かせることを目的とする。</p><p>【方法】すり身ペーストを用いて,絞り口金から直径(15 mm,10 mm,6 mm,5 mm,3 mm)が異なる棒状すり身を作った。棒状すり身を直径・向き(同じ方向,縦横方向)を変更しながら,3 cm3の蒲鉾キューブを組み立て,オ―メーターを用いてその硬さを測定した。 </p><p>【結果】蒲鉾キューブの硬さを測定した結果,同じ方向で組み立てた試料は,15 mm,10 mm,3 mmのものの硬さが6 mm,5 mmと比較して有意に高かった。一方,縦横方向で組み立てた蒲鉾キューブは,各試料間に有意な差は見られなかった。同じ方向で組み立てた試料の硬さが異なる原因は,キューブは力を受けて全体的に変形して圧縮ひずみが生じ,その結果,内部において棒と棒間の接触面が増え摩擦力が高まり,硬くなったのではないかと考えた。一方,縦横方向試料の硬さの差がない理由は,キューブは外部からの力を受けて変形して,せん断ひずみが生じ変形しても,内部棒状蒲鉾の接触面が増えていないため,差はみられなかったのではないかと考えられる。食品構造の知見を集積することで,将来,3Dフードプリンターにより食感を自由にデザインし,個別化された嚥下調整食などを作ることが可能になると思われる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390860377325837312
  • DOI
    10.11402/ajscs.34.0_157
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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