LMペクチンのCa反応性の評価について

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タイトル別名
  • Evaluation of calcium ions reactivity of low-methoxyl pectin

抄録

<p>【目的】ローメトキシルペクチン(LMペクチン)は低糖度ジャムをはじめとするゲル状食品のテクスチャーデザインに用いられている。LMペクチンはカルボキシル基とカルシウムイオンがイオン結合することによってゲル化するが,Ca反応性の大小によってはプレゲル(pregelation)を生ずることがある。プレゲルは局所的なCa濃度の上昇,温度の低下,ペクチンエステル化度(DE)と可溶性固形分濃度のミスマッチなどによって生ずるが,生成状況に関する分析的知見は乏しいといえる。そこで本研究ではDE,DAの異なるペクチンのプレゲルの結合状態を推定し比較のうえ,Ca反応性との関係を考察した。</p><p>【方法】エステル化度(DE)の異なる市販ペクチンを用いてプレゲルサンプルの作製を行った。LMペクチン2.0%,ショ糖45%,の加熱水溶液に塩化カルシウム溶液最終濃度0.012%分を加えることでプレゲルを作製した。30メッシュパスによってプレゲルを単離定量し,80%(v/v)エタノール水溶液を加えることで糖の除去を行った。これを繰り返した後,100%エタノール水溶液中に一晩浸漬し糖除去済みプレゲルサンプルを得た。これを乾燥し,FT-IR用サンプルとした。さらにCa添加前後でのペクチンの見かけの分子量変化について極限粘度法による分子量測定を行った。</p><p>【結果・考察】ショ糖濃度45%の系においてペクチンのDEの低下とともにプレゲルの生成量が活発化した。さらにFT-IRによる解析ではカルボキシル基と金属イオンが結合した状態でみられるピークが確認された。このときのピーク強度比はペクチンDE低下とともに大きくなり,プレゲル形成性と関係していることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390860377325909376
  • DOI
    10.11402/ajscs.34.0_89
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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