知的障害教育課程論史から見た「各教科等を合わせた授業」の意義

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  • チテキ ショウガイ キョウイク カテイロンシ カラ ミタ 「 カク キョウカ トウ オ アワセタ ジュギョウ 」 ノ イギ

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抄録

本稿では,知的障害教育が,通常の学校に準じた教育課程のフレームワークを担保しながらも,知的障害教育独自の各教科と各教科等を合わせた授業の指導形態を有することになった経緯を整理するとともに,教育課程論から見た各教科等を合わせた授業の意義を考察した.知的障害各教科では,発達初期や幼稚園段階の内容も教科別に示されている.このことは,発達年齢5・6歳以前の段階の子どもの教育にあっては,幼稚園教育に見られるように,未分化な指導内容を生活の活動全体を通して学習させることが前提となっていることと内容の示し方において矛盾する.したがって,発達年齢の低い児童生徒にとっては「分けられない」活動による各教科等を合わせた授業が必然となる.新学習指導要領が重視する学習過程の考え方は,知的障害教育の生活教育と共通するものであり,カリキュラム・マネジメントにおける各教科等を合わせた授業の意義は大きい.

収録刊行物

  • 発達障害研究

    発達障害研究 44 (3), 252-259, 2022-11-30

    日本発達障害学会

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