抄録
『とはずがたり』において、二条と後深草院との関係は常に後深草院の一方的な「会話」によって意味付けられていた。が、巻四の伏見での再会では、二条の「会話」によって二人の関係がとらえなおされていく。このことは二条にとっては過去への訣別の意志となり、以後の巻五に展開される旅が、「物」の放棄や人々の「終焉」への視線を軸に、過去を「清算」し、真の出家者になるべき過程として描かれる最大の契機となっている。
収録刊行物
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- 名古屋大学国語国文学
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名古屋大学国語国文学 81 1-13, 1997-10-31
名古屋大学国語国文学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390860996981629056
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- HANDLE
- 2237/0002008049
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- ISSN
- 04694767
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可