スギ花粉舌下免疫療法患者におけるヒノキ花粉症とヒノキ花粉飛散期効果に関する多機関実態調査

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タイトル別名
  • A MULTICENTER CLINICAL SURVEY ABOUT THE PREVALENCE OF JAPANESE CYPRESS POLLINOSIS AND THE EFFICACY OF SUBLINGUAL IMMUNOTHERAPY WITH JAPANESE CEDAR POLLEN EXTRACT DURING JAPANESE CYPRESS POLLEN DISPERSAL PERIOD
  • スギ カフン ゼッカ メンエキ リョウホウ カンジャ ニ オケル ヒノキ カフンショウ ト ヒノキ カフン ヒサンキ コウカ ニ カンスル タキカン ジッタイ チョウサ

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抄録

<p>【背景・目的】実地診療におけるスギ花粉抗原舌下錠を用いた舌下免疫療法(スギSLIT)のヒノキ花粉飛散期における効果については不明な点が多い.今回,スギSLIT患者のヒノキ花粉症の有症率,スギSLITのヒノキ花粉症への効果およびヒノキ花粉抗原を用いたSLIT開発への患者ニーズの実態を調査した.</p><p>【方法】多機関観察研究(31施設)として,5歳以上70歳未満のスギSLIT患者を対象としたアンケート調査を実施した.</p><p>【結果】解析対象となった2523例のうち,83.4%でスギSLIT開始前にヒノキ花粉飛散期に鼻炎症状を有した.ヒノキ花粉飛散期症状を有した患者の37.4%で,スギSLITの効果がヒノキ花粉飛散期でやや悪い・悪いと回答した.ヒノキ花粉症有症率およびヒノキ花粉飛散期でのスギSLIT効果減弱率は,東日本に比較し西日本で有意に高かった.ヒノキSLIT開発に対する患者ニーズは76.1%に認めた.</p><p>【結語】ヒノキ花粉飛散期にスギSLITの効果減弱を自覚する症例は全国的に観察でき,その効果には地域差を認めた.ヒノキ花粉抗原によるSLIT開発に対する患者ニーズは高く,新規治療法開発が望まれる.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 72 (9), 1138-1146, 2023

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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