多数の併存疾患・症状を持つ患者

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  • タスウ ノ ヘイソン シッカン ・ ショウジョウ オ モツ カンジャ

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説明

超高齢社会となった日本では,多臓器疾患併存の患者像か通常となっている。 内科系の疾患では,高血圧,糖尿病,脂質異常症,慢性閉塞性肺疾患,狭心症,慢性腎臓病などの併存が多い。 また,白内障,難聴,整形外科的疾患(ロコモテイプ症候群など),慢性皮膚障害,など特殊診療科領域の併存もよくみられる。 さらには,認知症,抑うつ,不安神経症,アルコール依存症などの精神心理的疾患の併存もかなり多い。 このような患者では,それぞれの疾患に対して長期薬物療法がおこなわれることが多く,ポリファーマシー(Polypharmacy)となる。 ポリファーマシーは薬剤間相互作用のリスクを局め,高齢による腎機能・肝機能の低下に加え, 脂肪体重割合の増加,血清アルプミン濃度の低下なども加わり,薬剤の副作用の可能性が高まる。 一方,多診療科併診では,他科処方薬への注意が散漫になることがあり,危険な飲み合わせからの副作用出現や薬剤カスケードをきたすおそれがある。 病院総合医は,このような患者一三診療においては,最善努力の薬剤歴(Best PosSible Medication History)を心がけて,不必要な薬剤の脱処方(De-prescribing)を行い,最終的な薬剤調停(medication reconciliation)を行う役割が求められる。

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