NAD<sup>+</sup>前駆体を用いたトランスレーショナルリサーチの現状と将来展望

DOI
  • 夜久 圭介
    富山大学学術研究部医学系分子医科薬理学講座
  • 中川 崇
    富山大学学術研究部医学系分子医科薬理学講座 富山大学未病研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Translational research using NAD<sup>+</sup> precursors

抄録

<p>世界的な高齢化の進行によって老化を遅らせるための研究が精力的に行われている.Nicotinamide adenine dinucleotide(NAD+)は生命機能の維持に必須の補因子であり,抗老化分子として注目されている.不規則な生活習慣や老化過程の進行によって体内のNAD+需要は高まる.また,一方でNAD+前駆体によるNAD+補充は生活習慣病や老化関連疾患の予防・治療に効果的であると考えられている.NAD+前駆体の中でもNicotinamide riboside (NR)とNicotinamide mononucleotide NMN)は広範な動物モデルに対して健康増進効果を確認されてきたことから,近年ではNR とNMN を用いた臨床試験が活発に行われている.しかしながら,現在のところ臨床試験においてNAD+前駆体は,動物モデルの結果から期待されるほどの効果を示してはいない.一方で,より効率的なNAD+補充を目指して,NAD+代謝それ自体を対象とした基礎研究も精力的に継続されており,NAD+代謝の新たな側面が明らかにされている.そこで,これら最新の知見をもとに,NAD+研究の現状や課題について紹介し,NAD+代謝の調節による健康増進への道筋を共有したい.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862080002412928
  • DOI
    10.32153/ffr.ffr9_p22-27
  • ISSN
    24343048
    24323357
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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