スポイトと電子天びんを用いたアスコルビン酸のインドフェノール滴定法の改良:利便性と効率性の向上

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タイトル別名
  • Improved Indophenol Titration Method for Ascorbic Acid Using a Dropper and Electronic Balance: Enhanced Convenience and Efficiency

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抄録

<p>2,6-ジクロロインドフェノール(DCIP)滴定法を使用したアスコルビン酸の分析は,十分に確立された技術であるが,正確な測定にはビュレットの取り扱いに熟練が必要である.本研究では,ビュレットをスポイトに置き換え,電子天秤を使用して滴定量を重量で測定する改良DCIP滴定法を提案した.DCIP標準液を滴下するスポイトは柔軟に選択できるため,多量から微量までの幅広い滴下が可能であった.改良法では,ビュレット操作が不要となり,分析時間の43%短縮,サンプルと試薬の使用量の50%削減,分析対象サンプル中のアスコルビン酸濃度に合わせたDCIP標準溶液が,分析中に適宜希釈できるなどの利点があった.改良法により実際の食品中のアスコルビン酸を測定したところ,滴定終点の判断などに関係したDCIP法の本質的な問題は改善できなかった.しかし,改良DCIP滴定は,従来のビュレット法よりも簡便で利用しやすく,特に熟練していない分析者において,迅速かつ正確な分析を可能にする.</p>

収録刊行物

  • 食品衛生学雑誌

    食品衛生学雑誌 65 (1), 1-6, 2024-02-05

    公益社団法人 日本食品衛生学会

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